ジェイソン・ボーン見てきたけど。やっぱりちょっと残念な感じだった。トミー・リー・ジョーンズとヴァンサン・カッセルが出てる時点で、悪い意味での大作になっちゃうんだろうなー。って思ってた通りだった。ラスベガスのシーンとか、「マイケル・ベイかよ!」って感じ・・。
2作目、3作目は、脚本にムダがなくて、本当にすばらしい映画だった。
そもそも、スプレマシーと、アルティメイタムも、映画の冒頭が素晴らしいんだよね。でも、今回の『ジェイソンボーン』では、ながながと、過去作の引用映像、回想シーンからはじまるところが、残念な予感プンプンです。
この記事の目次
ジェイソン・ボーンあらすじ
ジェイソンボーン。アンダーグラウンドなボクシングで生計を立てる。地下格闘技大会で日銭を稼ぐ
アイスランドにいたニッキーは、CIAの犯罪を暴くため、
ハッカーの仲間と協力して、CIAのメインサーバーをハッキング
ジェイソン・ボーンのアイデンティティを知る。
ニッキーはその事実をボーンに知らせるため、ギリシャへ向かう
そこから、ハラハラドキドキの冒険がはじまるよ。って感じ
ジェイソン・ボーン評価
ボーン・スプレマシーとボーン・アルティメイタムが名作で傑作だと思ってる僕です。今作『ジェイソン・ボーン』の評価は残念大賞です。
大学生の子たちが、デートで、時間つぶしに単なるハラハラドキドキのアクション映画を見たいなら合格だと思います。
でも、ぼくは、ボーン・スプレマシーとボーン・アルティメイタムの地続きの、おなじ世界観をもった映画を期待していましたので、不合格です。
脚本家
今回の『ジェイソン・ボーン』が駄作になった原因は脚本です。
いままでの脚本家は、
トニー・ギルロイ(1-4作目)
ウィリアム・ブレイク・ヘロン(1作目)
2作目、3作目が面白いので、このひと達に書いてもらうべきでしたね!
ブライアン・ヘルゲランド(2作目)
スコット・Z・バーンズ(3作目)
ジョージ・ノルフィ(3作目)
ダン・ギルロイ←4作目は無視していいと思います(笑)。
そして、今回の『ジェイソン・ボーン』の脚本は
ポール・グリーングラス
クリストファー・ラウズ
です。ポール・グリーングラスは監督としては、すばらしいですが、脚本家としてはヘボです。グリーンゾーンも、グリーングラス監督が脚本に入ってたけど、しょうもない映画でしたからね。
あと、クリストファーラウズとか、編集マンでしょ。なんで、編集技師が、脚本書くのか謎過ぎます。2作目、3作目の回転の早い編集は、めちゃめちゃ神業で、ぼくはものすごく評価しますが、でも、だからって、脚本書かせちゃダメでしょう。
もし、6作目があるなら、トミー・リー・ジョーンズとか大物俳優のギャラは削って、脚本家のギャラに当ててください。
トニー・ギルロイ(1-4作目)
ブライアン・ヘルゲランド(2作目)
スコット・Z・バーンズ(3作目)
ジョージ・ノルフィ(3作目)
この4人をあつめて書いてもらってください。トニー・ギルロイもすこし心配ですけど、げんをかついで(笑)
ジェイソン・ボーンネタバレ
突っ込みどころがたくさんありすぎて、順に突っ込みを入れていこう
アンダーグラウンドなボクシングで生計を立てる
地下格闘技大会で日銭を稼いでる主役とか、シルベスター・スタローンとかジェイソン・ステイサムのB級映画なら、全然ありだと思うんですけど。
ボーンはなしでしょ?
映画のキャラが、社会のはみ出し者で、アウトローで、こういうあらくれた世界でしか生きていけない。みたいな。そういうキャラ設定の映画なら、いいと思います。
でも、ボーンシリーズのボーンをはじめとする工作員のキャラ設定ってのは、頭脳明晰で、特殊な技能とトレーニングを受けた、エリートという設定だし。ひっそりと、任務地の社会に溶け込める、適応性と頭の良さ、が当然あって、任務がないときには、ごく平凡な市民として、暮らしている。
だけど、任務があるときは、おっかないんだよ。
というのが、あるから、映画が引き立つんですよね。そういう設定だから、1,2,3作目が成り立つっていたのに
今回はいきなりの荒くれ者の設定で、世界観ぶちこわしじゃない?観客は『え??』って感じで、「これって、何かちがうよね」っていう違和感マックスなわけです。
いまどきエドワード・スノーデン?
映画のアイアンハンドって計画名は、エドワード・スノーデンが暴露して話題になったCIAのプリズム計画をモチーフにしてるだとおもうんだけど、
プリズム計画とかが、話題になっていたのは3年前とかだよね。観客としては、今更感がすごいつよいよね?昔の話題にがテーマなんだ。って印象を受けちゃうんですよね。
CIAの政府による監視社会とかって、モチーフは、かなり今では陳腐じゃない?なんか、アーロンカルーアって役も、フェイスブックのザッカーバーグと、スティーブ・ジョブズをイメージしたみたいな感じで、なんかいかにもB級映画に出てきそうなキャラです。
過去作の焼き直し感が強すぎる
ニッキーが撃たれるシーンとかは、スプレマシーでインドでマリーが撃たれるシーンそのまんまですよね。2ケツしてバイク乗ってるんだから、そりゃニッキー撃たれるよね。みんな納得。なんか次になにがおこるのか?ものすごいバレバレです。これが、全編にわたって続きます。
マルコムスミスを呼び出すシーンとかも、なんとなく、ロンドンのウォータルー駅でのロスのシーンの焼き直しですよね。人混みをカムフラージュにしながら、落ち合うところとか。
最後、デューイがやられるところも、アルバートハーシュ博士が、NYの71番地で待ってるところの焼き直しですよね。
アセットの世界観が台無しになっている
スプレマシーとアルティメイタムでは、
アセットとよばれる、工作員が、ボーンを追いかけてくるんだけど、工作員の淡々とした態度や、やる気のない感じが、いかにも、暗殺が仕事でって感じですよね。
サラリーマンが出勤していくかのように、殺しにいくさまが、「あーこの人たちが、アセット(工作員)なんだ」って、乾いたヒリヒリ感があってよかったんですよね。
しずかに、本部の指令だけをこなす、マシーンみたいなかっこよさが良かったんです。
でも、今回の工作員役のヴァンサン・カッセルに、今回は「オレ、残酷だぜ!」演出が過剰におおすぎるでしょ。
頭に血がのぼって、カッカしたおっさんが、ラスベガスでドンパチドンパチやって、街を破壊しまくるだけってイメージでした。
作戦要員との対決理由が陳腐すぎ
でも、その怒ってるのも「ボーンのせいで2年間捕まってたから」という、とってつけたみたいな理由が、セリフで説明されるんですけどね。
あと、ボーンも、ヴァンサン・カッセルをやっつけたい理由が、お父さんを殺されたから。みたいな、これも、後付け設定みたいな無理矢理感たっぷりで、後半にぶちこんでくる設定なんですよね。
てことは、CIAの闇の勢力と、ボーンの孤独な戦いみたいな構図じゃなくて、2人の個人的な怨恨の戦いなんですよ・・。そんなスケールの小さい話しを、脚本の軸にしちゃうとか、トホホです。
スパイグッズ簡単に手に入りすぎ
ラスベガスのシーンで追跡用GPSが売店に売っていて、それをボーンが万引きして、デューイにヘザーに入れてもらう。とかご都合主義すぎるでしょ。ほんとがっかりです。
なんで、ストーリに必要な、スパイグッズが、当日、現場の、即売会みたいな、テーブルで全部売ってるんだよ。って、感じですよね。
バックステージパスみたいなIDも、警備員から、スリでとってゲットできるとか、なんか、全部、演出が適当なんですよね。
あと、ヘザー・リーが、ボーンに協力するまでの、くだりが唐突すぎるよね。なぜ、協力したくなったのか?という理由がヘボすぎるし。協力する方法も、いきなり携帯に「あと2分で逃げて」って、直メいれるとか
お前らLINE友達かよ!
って思っちゃうんですよね(笑)
アルティメイタムでは、パメラランディとは、誕生日の日付で、NYの番地を伝えたりと、ちょっと凝ってましたよね。
過去三部作との比較
『ジェイソン・ボーン』はすげーしょうもない映画だったんですけど
とりあえず、ボーン・スプレマシーとボーン・アルティメイタムの2作がいかに素晴らしい映画か、ということが再確認できただけで、この駄作の5作目がつくられただけでも、価値があったんじゃないでしょうか??
映画は脚本がいちばん大事なんだよって、教訓を残してくれましたね!
コメント
突然失礼します。
ジェイソンボーンの感想について調べていたら、こちらを拝見させていただき、すごく共感できたので。自分自身も感じていたことを、的確に解説してあったので。
わたしはスプレマシーとアルティメタムが好きです。
なんか、あのギリギリ、リアルでカッコ良いと思えたラインを、今作「ジェイソンボーン」は吹き飛ばしている感じが残念でした。面白いは面白いのですが。
敵役の女性の設定がなんか。。。前作までのデキる女の説得力を全身からみなぎらせていた熟練パメラ・ランディにくらべ、若すぎるし美人ならいいじゃんみたいな、キャラクターとして嘘臭さを感じてしまいました。あと、リスクを考慮せずにバンバン人を殺して前に突き進む敵役もなんか悪役すぎるだけで嘘くさくて。
突然失礼いたしましたが、見事に感想を書いてくださっていてありがとうございます。なんかよんでちょっとスッキリいたしました。
コメントありがとうございます。ほんとそうなんですよね。ホント今回の『ジェイソン・ボーン』はしょうもない映画になっちゃいましたよね。調べてみたらカメラマンも変わってるみたいですね。ちゅーか、全部、何事も適当感がただよってますよね。パメラランディと、ノアヴォーセンだからよかったのに・・・。しかも、ノアヴォーセンとアセットのパズとデッシュも控えめで、「こっそり始末しちゃおう!」っていう企んでる感が、また良かったんですよね。しかし今回の、ヴァンサン・カッセルは、ターミネーターみたいですもんね。ほんと違う映画ですよ、これじゃ・・・(笑)、しかも、アセットは私情をはさまないから、かっこいいのに、全編にわたって、カッカして、ヒステリーおじさんって感じでしたね(笑)。
ご返信いただきありがとうございます。
カメラマン変わっていたんですか。実は、観ながらなんかアップ多くて、終盤のベガスについてからなんて特にこじんまりしたスケールに見えてしまうのも「?」って違和感感じていたんですよ。それが原因なのかな。カメラマンやはり重要なんですねー。
監督を信頼して観に行ったのですが。。。
キレのある映画感想、読んでいて納得させられました。ありがとうございました。
(自分は英語できませんが、映画が深く観れるならやはり出来たら面白いんだろうなあとも思いました。)
ほんと、そうですよね。ベガスの演説のシーン、めちゃめちゃ小スケールでしたよね(笑)。カンファレンスルームとか、小学校の体育館みたいな狭さのところでしたもんね。通風口から、狙ってましたけど、あの距離なら、スコープいらないよね?って狭さでしたよね。ポール・グリーングラス監督も、グリーンゾーンとかおもろくない作品も作ってるので、いい脚本家、カメラマン、あっての名作が生まれるんだなー。って感じましたね。そういや、中盤のマルコムを尋問していて、屋上から落ちるのも、たまたま助かったけど、ちょっとバカっぽくて、残念でしたよね。脱出ルートかんがえとけよ(笑)みたいなw。